2019年10月16日(水)、市ヶ谷オフィスにて日本酒とフランス菓子のペアリング研究会を開催しました!
今回は、フランスと日本を繋ぐ菓子職人の山田 明香(さやか)さん(以下さやちゃん)とのコラボ研究会。
総勢8名のにぎやかな研究会となりました。
フランス菓子とはどんなお菓子のこと?
代表的なフランス菓子は、エクレア、マドレーヌ、フィナンシェ、マカロン、カヌレ、ミルフィーユ、タルトタタン、など。
名前を聞いたり、食べたりしたことのある人も多いのではないでしょうか?
そんなフランス菓子の中でも、さやちゃんが作るのは伝統的なフランス菓子。
日本ではなかなか食べられないようなレアなお菓子も多いんです。
今回は日本酒とのペアリングということで、日本らしい材料を使うなどの工夫をしていただけました。
日本酒に合わせる5種類のフランス菓子
さやちゃんが持ってきてくれたフランス菓子は5種類です。
写真左手前から、時計回りに紹介します。
ガトーショコラ
チョコレートを生地に混ぜ込んで焼いたケーキであるガトーショコラ。
フランス語では「焼いたチョコレート菓子」という意味で、本来は焼いたあるチョコレート菓子全般のことを指すそう。
このガトーショコラには、マダカスカル産のカカオが70%使用されていて、チョコレートの味がとっても濃厚です。
今回は日本酒とペアリングすることを考え、小麦粉ではなく米粉で作ってくれたそう!
米粉を使用したことで、ずしっとチョコが凝縮されている感じがして、大人の味でした。
ガトーバスク
ガトーバスクは、アーモンド粉を使ったクッキー生地の中に、カスタードクリームなどを入れて焼き上げるフランス菓子。
バスクとは、ピレネー山脈を挟んだフランスとスペインにまたがる地域一帯の総称で、古くから独自の言語や食文化が栄えているそう。
今回のガトーバスクはガトーショコラと同じく、小麦粉の代わりに米粉を使用。
さくらんぼのジャムをサンドすることが多いそうですが、今回は生のプルーンをニッキでさっと煮詰めたものがサンドされています。
プルーンがとっても爽やかで、甘みもほど良く、おいしくいただきました!
河越(かわごえ)抹茶のメレンゲ
黄緑色のメレンゲは、河越(かわごえ)抹茶を使用しているそうです。
河越抹茶とは、川越ゆかりの歴史があるけど最近注目されている特産品。
よく名前を聞く宇治抹茶と比べると、まろやかで濃い味が特徴です。
苦みがうまく活かされていて、食べていくと口の中がさわやかなグリーンティーを飲んでいる感じになりました。
抹茶のフィナンシェ
写真右奥が、抹茶のフィナンシェ。
こちらも小麦粉ではなく、米粉が使われています。
安納芋のコンベルサシオン
写真右手前の淡いベージュ色のお菓子が、コンベルサシオン。
コンベルサシオン(Coversation)はフランス語で会話という意味で、楽しくおしゃべりしながら食べるお菓子なのだそう。
アーモンドクリームが入っているのが一般的ですが、今回は日本らしい食材をと安納芋を使用したそうです。
表面サクサク、中は安納芋の生地がしっとりで、とってもおいしかったです。
フランス菓子とペアリングした日本酒を紹介
フランス菓子にペアリングさせた日本酒は以下の3つ。
プラスαでアイテムも使用したので後ほどご紹介します。
写真左から紹介していきます。
満寿泉(ますいずみ)オーク樽熟成・貴醸酒
桝田酒造店の『満寿泉(ますいずみ)オーク樽熟成・貴醸酒』こちらはなかなか高価な日本酒。
平等な量になるように、石坂会長が慎重に注いでいます(笑)
貴醸酒とは、日本酒づくりの最終段階で、本来は仕込み水を入れるところを日本酒で仕込んだお酒のこと。
その分ぜいたくに作られていて、甘くて濃厚でとろりとしていて上品な味わいの日本酒です。
写真でもわかりますが、熟成していてオーク樽の色もついているので、かなり黄色っぽいです。
樽の香りもするので少しブランデーのような香りにも似ています。でも、最後の後味は日本酒らしいスッキリとした味。
ガトーショコラと合わせると、ガトーショコラがトリュフや生チョコになったような感じで、さらに味の深みが増していました!
玉川 自然仕込純米酒(山廃)
木下酒造の『玉川 自然仕込純米酒(山廃)2014BY』
玉川の特徴である自然仕込は酵母を添加せず、酒蔵に住みついている蔵つき酵母とよばれる自然界に存在する微生物で作ります。
玉川臭ともいわれる独特の深みのある香りはクセになる人も多いです。
2014年につくられた熟成酒なのでアミノ酸が多く、色合いも黄味がかっています。
こちらは、冷酒のときはガトーバスクと好相性、60度ほどの熱燗にすると抹茶フィナンシェやガトーショコラとも合っていて、玉川はフランス菓子全般に合いそうだなという印象でした…!
その後、変わり種としてルイボスオレンジのハーブティーの茶葉を熱燗に混ぜてみました!
茶葉のオレンジの香りがハッキリと出て、「華やかで、ヨーロッパの人にも受けそう」などの意見が出ました。
本みりん 黄金蜜酒
鈴木酒造店の『本みりん 黄金蜜酒』
名前からもわかる通り、純粋なお酒ではないのですが、美味しく飲める本みりんです。
ほのかな優しい甘さなので、お菓子の味を邪魔することなく、さらにおいしくいただけました!
イベントを終えて
初めて実施した、フランス菓子と日本酒のペアリングイベント。
主催者、参加者が口をそろえて「想像よりはるかに合うし、フランス菓子とのペアリングは、お酒の中では日本酒が一番合うかも!」と言っていたのが印象的でした。
いくら美味しくても、これだけの種類のお菓子を一度に食べると口の中が甘くなりすぎてしまうと思うのですが、そこを日本酒が穏やかにスッとリセットしてくれる感覚があり、たくさんのお菓子を最後までおいしくいただけました。
さやちゃんが日本酒とのペアリングを考えて、米粉や安納芋、抹茶など日本らしい材料を使用してくれたことも大きいと思います。
こんなに合うなら、継続してペアリング研究をしていこうということになり、次回は11月23日(土)15時から市ヶ谷オフィスで開催予定です。
こうしたペアリング研究会のイベントは、「SAKE PAIRING club」会員の方は500円引きでご参加いただけます。
ペアリングの最新情報やおすすめのお店やイベント情報も、SAKE PAIRING club先行で伝えているので、ペアリング体験をしてみたい方、ペアリングを深めたい方、日本酒好きな方は詳細を見てくださいね。