「日本酒に興味はあるが、ビールと違って種類もたくさんあるし、難しそう…」
「日本酒をプレゼントでもらったが、どんな料理に合わせたら良いか分からない…」
「良い日本酒を手に入れたので、存分に楽しみたい!」
このような気持ちになったことはありませんか?
日本酒を上手に嗜める様になれば、少し大人の階段を登った気持ちに慣れそうですよね。
酒器などを揃えようと思うと、腰が重いですが、料理とあわせて日本酒をたしなむことは簡単です。
今回は、初心者向けに、日本酒ペアリングの基本と簡単に作れるレシピ、手に入りやすいおすすめの日本酒をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください!
*目次
1.分かりやすく解説!日本酒ペアリングの基本
2.気を付けよう!日本酒ペアリングの注意点
3.カテゴリー別、料理によく合うおすすめの日本酒紹介
4.タイプ別、日本酒に合う料理・レシピ紹介
5.まとめ
*本文
1.分かりやすく解説!日本酒ペアリングの基本
- そもそも日本酒って?
- よく耳にする「純米」や「大吟醸」って?
- 日本酒ペアリングの基本
- そもそも日本酒って?
お酒は、製造方法で大きく3つに分類することができます。
1.醸造酒
原料を酵母によりアルコール発酵させて作られたお酒。蒸留などの作業を経ずに、基本的にアルコール発酵させたままの状態で飲まれるもの。
日本酒、ビール、ワインなど
2.蒸留酒
醸造酒を蒸留して作るお酒。スピリッツ(spirits)とも呼ばれる。
焼酎、ウイスキー、ブランデーなど
3.混成酒
醸造酒や蒸留酒に、香料や甘味料、フルーツなどを加えて作るお酒。
梅酒、リキュール、みりんなど
日本酒は、醸造酒のひとつで、原材料は、「米、米麹、醸造アルコール(入っていないものもある)」、デンプンの糖化とアルコール発酵の2つの工程を同時進行させる「平行複発酵」という方法で作られ、アルコール度数は、14~16%のものが多いです。
日本には、約1,600の酒蔵が存在します。
- よく耳にする「純米」や「大吟醸」って?
日本酒は、「特定名称酒」と「普通酒」に分類されます。
日本酒のラベルに「純米」や「大吟醸」と書かれているのは、お米の精米歩合や原料などの条件を満たした「特定名称酒」の呼び名です。
特定名称酒は、原材料と精米歩合によって分類されます。
特定名称酒以外の日本酒を「普通酒」といいます。
上記以外にも、よく見たり聞いたりする日本酒ワードについて説明しますね。
生酒:お酒を搾った後に、一切の火入れ(加熱処理)をしないお酒
搾ったままのお酒なので、フレッシュでみずみずしいのが特徴です。
(一般的な日本酒は、1度か2度火入れ(加熱処理)をします。)
原酒:搾ったお酒を水で割らないお酒
搾った直後のお酒は、アルコール度数が20度くらいあります。
(一般的な日本酒は、これに水を加え調整(加水調整)し、飲みやすいアルコール度数である15度前後に調整します。)
熟成古酒:長期間熟成することで色や香り、味わいの変化を楽しめるお酒
熟成期間など特に明確な基準は無く、独自のルールや定義づけの中で長期熟成した日本酒を、古酒と呼んでいます。
【3】日本酒ペアリングの基本
日本酒は、香り(高い⇄低い)と味わい(濃醇⇄淡麗)で、大きく4つのタイプに分類することができます。
分かりやすく説明すると、①香りが良いタイプ②すっきりタイプ③コクのあるタイプ④熟成酒タイプの4種類に分類されます。
日本酒がどのタイプであるかによって、相性の良いとされる食材や料理の法則があります。
「ペアリング」とは、お酒との相性の良い食材や料理との組み合わせのことを言います。
おいしい法則を知れば、気軽に日本酒と料理のペアリングを楽しむことができます。
- 薫酒(くんしゅ)【香りが良いタイプ:香りが高く、味わいが淡麗】
大吟醸・吟醸酒にこのタイプが多いです。
華やかで、爽やかさのある香りで、味わいは甘さと酸味が調和し爽やかで、苦味や旨味が少ないのが特徴です。
料理との相性
○:素材が生かされているあっさりとした料理、野菜・フルーツなど素材そのもの
×:風味の強い料理(香りが打ち消し合ってしまいます。)
おすすめの料理・食材
・カルパッチョ ・サラダ ・フルーツ
・お刺身(白身・脂の少ないもの) ・蒸し鶏 など
- 爽酒(そうしゅ)【すっきりタイプ:香りが控えめ、味わいが淡麗】
生酒、普通酒・本醸造酒にこのタイプが多いです。
清楚な香りと軽快な味わいが特徴です。全体的に控えめな香りで、わずかにフレッシュさを感じます。ほのかな甘味とフレッシュ感のある酸味で、心地良い苦味が少しあります。
料理との相性
○:風味の良いさっぱりした料理・食材
×:脂っこい料理
おすすめの料理・食材
・豆腐 ・山菜 ・海藻 ・グリーンサラダ
・フレッシュチーズ ・お刺身(イカやタコ、貝類) など
- 醇酒(じゅんしゅ)【コクのあるタイプ:香りが控えめ、味わいが濃醇】
純米酒にこのタイプが多いです。
ふくよかな香りとコクのある味わいが特徴です。香りは控えめで、甘味、酸味、心地良い苦味とふくらみのある旨味のバランスがよく、ふくよかな味わいです。
料理との相性
○:しっかりとした味付けの料理
×:あっさりした料理(料理がお酒の味に負けてしまいます。)
おすすめの料理・食材
・肉料理 ・シチュー ・焼き鳥 ・煮物
・お刺身(赤身・脂ののったもの) など
- 熟酒(じゅくしゅ)【熟成酒タイプ:香りが高く、味わいが濃醇】
熟成古酒にこのタイプが多いです。
練れた香りと豊潤な味わいが特徴です。香りが非常に豊かで、味わいは甘味がとろりとしていて、よく練れた酸味があります。
料理との相性
○:濃い味付けのもの
×:生の魚介類(素材のもつ味わいを消してしまいます。)
おすすめの料理・食材
・チーズ ・からすみなど珍味
・辛さ控えめの中華料理 など
- 気を付けよう!日本酒ペアリングの注意点
注意点① 日本酒の温度
日本酒を楽しむには、飲む温度に気を付けましょう。
飲む温度を間違えると、日本酒の良さを消してしまいますし、ペアリングも上手くいきません。前節で説明したタイプごとにおすすめの温度帯を紹介します。
- 薫酒(くんしゅ)【香りが良いタイプ:香りが高く、味わいが淡麗】
やや低めの10~15℃あたりがおすすめ。冷蔵庫から出して、少し時間をおいてから飲んでください。冷やしすぎると香りが閉じてしまい、温度があがってくると高すぎると甘さが主張してきます。
サラダや前菜と合わせやすいので、季節にも寄りますが、食事の30分くらい前に冷蔵庫から出しておくとベストです。
- 爽酒(そうしゅ)【すっきりタイプ:香りが控えめ、味わいが淡麗】
食事を邪魔しないので、食事の温度に合わせるのが良いです。
冷たい料理に合わせる時は、キンキンに冷やして5~10℃がおすすめ。
暖かい料理と合わせる時は、熱燗にしてもOK。ただし、生酒系は熱燗はNG。
- 醇酒(じゅんしゅ)【コクのあるタイプ:香りが控えめ、味わいが濃醇】
20℃~25℃の常温に近い温度がおすすめ。また、ぬる燗だと酒の中にあるうまみが活性化し良さが引き立つので、こちらもおすすめです。
簡単にぬる燗にする方法:常温のお酒1合(約180ml)を電子レンジ500Wで約50秒
- 熟酒(じゅくしゅ)【熟成酒タイプ:香りが高く、味わいが濃醇】
15~20℃がおすすめ。少しだけ冷蔵庫に入れるくらいがベスト。香りを楽しむにもこの温度帯が良いですね。
きっちりその温度で飲むことは難しいので、冷たい料理には冷やして、常温のおつまみなどには常温で、温かい料理には温めて飲むことだけ頭に入れておくと良いと思います。
注意点② 飲む順番
コース料理では、あっさりした前菜から始まって、メインには味付けのしっかりした料理が出てくることが多いですよね。他にも先に辛いものを食べると後の料理の味が分からなくなったりします。
日本酒も同じように、味わいが濃醇なお酒を飲んだ後に、淡麗なお酒を飲むと味が全く分からなくなります。
何種類か飲み比べをするときには、①薫酒から反時計回りに、②爽酒⇒③醇酒⇒④熟酒の順番で飲むことをおすすめします。
どのタイプか分からない、同じようなタイプの飲み比べの時は、第1に香りが良いもの、第2に味わいがすっきりしているものを先に飲むことをおすすめします。
注意点③ やわらぎ水を忘れずに!
日本酒を飲むときは、水を用意して、ときどき飲んでください。これを「和らぎ水」(やわらぎみず)といいます。チェイサーみたいなものです。
酔いすぎないように一呼吸置くという意味もありますが、食事の合間に水を飲むことにより、口の中がリフレッシュされ、次の一杯や料理の味を鮮明にして、おいしく味わうことができます。
- カテゴリー別、料理によく合うおすすめの日本酒紹介
料理別に、よく合う日本酒を紹介します。
比較的リーズナブルで、手に入りやすいものを選びました。
野菜を使った料理:【白鶴 大吟醸】 白鶴酒造株式会社(兵庫)
魚料理 :【大吟醸 越後桜】 越後桜酒造株式会社(新潟)
肉料理 :【酔鯨 特別純米酒】 酔鯨酒造株式会社(高知)
チーズ :【吟醸 久保田 千寿】 朝日酒造株式会社(新潟)
スイーツ :【白雪 純米にごり酒】 小西酒造株式会社(兵庫)
・野菜を使った料理
【白鶴 大吟醸】 白鶴酒造株式会社(兵庫)
容量:価格 720ml 1,268円(税込)/300ml 572円(税込)
タイプ: 薫酒(くんしゅ)【香りが良いタイプ:香りが高く、味わいが淡麗】
合う料理:スティック野菜、ポテトサラダ
香りがよく淡麗で飲みやすいタイプの日本酒。
サラダなどの前菜によく合います。
・魚料理
【大吟醸 越後桜】 越後桜酒造株式会社(新潟)
容量・価格:720ml 1,129円(税込)/300ml 529円(税込)
タイプ: 薫酒(くんしゅ)【香りが良いタイプ:香りが高く、味わいが淡麗】
合う料理:カルパッチョ、刺身(白身魚)
華やかな味わいとすっきりした飲み口が特徴。
軽やかな口当たりなので、お刺身など様々な料理との相性が良いです。
・肉料理
【酔鯨 特別純米酒】 酔鯨酒造株式会社(高知)
容量:価格 720ml 1,243円(税込)/300ml 627円(税込)
タイプ:醇酒(じゅんしゅ)【コクのあるタイプ:香りが控えめ、味わいが濃醇】
合う料理:牛すじ煮込み、やきとり(タレ)
米の旨みにキレの良い後口を組み合わせた純米酒。香りは控えめで、程よい酸味があり、キレがあります。
純米酒ならではの米の旨みが、味の濃い肉料理ともよく合います。
・チーズ
【吟醸 久保田 千寿】 朝日酒造株式会社(新潟)
容量:価格 720ml 1,320円(税込)/300ml 627円(税込)
タイプ:爽酒(そうしゅ)【すっきりタイプ:香りが控えめ、味わいが淡麗】
合う料理:クリームチーズ
すっきりとした淡麗な味わいで、香りは穏やかです。
旨味と酸味とともに、ほのかな余韻や甘味が感じられるので、チーズともよく合います。
・スイーツ
【白雪 純米にごり酒】 小西酒造株式会社(兵庫)
容量・価格:720ml 1,345円(税込)
タイプ:にごり酒
合う料理:どら焼き、和菓子
すっきりとした飲み口でありながら、広がるコクとやわらかな余韻が特徴です。
和菓子の上品で滑らかな甘みと、にごり酒のすっきりとした甘さの相性はとても良いです。
- タイプ別、日本酒に合う料理・レシピ紹介
- 薫酒・鯛のカルパッチョ
準備するもの:
・鯛のお刺身 1パック
・オリーブオイル 好きなだけ
・レモン汁 好きなだけ
・岩塩(普通の塩でも可) 好きなだけ
・パセリorバジル 好きなだけ
作り方:
- 魚の切り身を並べる。短冊状のものはそぎ切りをして並べる
- 岩塩を振りかける
- レモン汁をかける
- オリーブオイルをかける
2~4は順番を間違えないようにすることがポイント!
すべての量は、お好みに合わせて調整してください。
- 爽酒・出汁巻きたまご
準備するもの:
たまご 2個
水 大さじ2
白だし 小さじ1
みりん 小さじ1/2
サラダ油 小さじ1/4
作り方:
- 卵を割り、よくかき混ぜる
- 水、白だし、みりん、サラダ油を1に加えて混ぜます。
- レンジOKのタッパーにラップを敷きます。
- ラップをかけずに、レンジ(600W)で2分
- 取り出してよく混ぜ、再びラップをかけずにレンジ(600W)で1分30秒
- ラップで包んで、お好みの形に整えて、3分放置
耐熱容器に入れてレンチンし、ラップでまとめるだけで完成!
- 醇酒・照り焼きチキン
準備するもの:
鶏モモ肉 1枚
砂糖 小さじ 1
酒 大さじ 1
みりん 大さじ 1
醤油 大さじ 2
作り方:
- 鶏もも肉を皮の方から焼きます。
- 焼き目が付いたら、裏返えして反対の面を焼きます・
- 脂がかなり出てきてしまったら、キッチンペーパーで軽く脂を拭き取る
- 両面に焼き目がついたら、調味料をすべて入れて蓋をし、弱火にします。
- たれが煮詰まってきたら、はし等でさして透明な肉汁が出れば完成
ゆすったり、時々裏返しながら、鶏肉にタレをからめるのがポイント!
- 熟酒・チーズポテサラ
準備するもの:
コロッケ(惣菜のものでOK) 2個
ゆで卵 1個
マヨネーズ 好きなだけ
チーズ(クリームチーズがおすすめ) 好きなだけ
作り方:
器に材料をすべて入れて、よく混ぜるだけ!
コロッケに味がついているので、調味料はマヨネーズだけ。
*まとめ
5.まとめ
今回は、日本酒ペアリングの基本とおすすめレシピ、日本酒を紹介しました。
・日本酒は、香りと味わいで4つのタイプに分けられる。
・飲もうとしている日本酒が4タイプのどれに該当するかを考える。
・そのタイプに合わせて料理を選ぶ。
・ペアリングを楽しむには、日本酒を飲む温度も大切。
上記の事に気を付けるだけで、日本酒ペアリングは簡単に楽しめます。
料理を作るのが面倒な時は、スーパーやコンビニでお総菜を買えばよいのです。
日本酒は思っているほど難しくなく、知れば知るほど奥が深い嗜好品です。
ぜひお気軽に日本酒を楽しんでみてください。
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